白内障手術にかかる費用の目安
白内障手術は、使用する眼内レンズの種類によって大きく3つのパターンに分かれます。
- 単焦点眼内レンズ(保険診療)
- 多焦点眼内レンズ ※選定療養(保険診療+自由診療)
- 多焦点眼内レンズ ※選定療養外(自由診療)
保険診療での白内障手術費用
保険適用の手術で、自己負担は医療保険の割合(1割・2割・3割)によって異なります。
保険負担割合 | 片目の費用(目安) | 両目の費用(目安) |
---|---|---|
1割負担 | 約15,000円 | 約30,000円 |
2割負担 | 約30,000円 | 約60,000円 |
3割負担 | 約45,000円 | 約90,000円 |
ただし、実際にはここから「高額療養費制度」が適用されるため、支払う金額は大きく下がる方が多いです。
高額療養費制度とは?
高額療養費制度とは、月ごとの医療費負担が一定額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。
- 所得や年齢に応じて上限額が決まります。
- 白内障手術のような保険診療にも適用されます。
知らない方も多い重要ポイント
たとえば70歳以上で1割負担の方は、どんなに費用がかかっても「月額8,000円以内」で済むケースが大半です。
2割負担の方でも18,000円程度。
つまり…
同じ月に両目を手術すれば、片目ずつ別々の月で受けるよりも支払う金額が少なく済む可能性が高いのです。
高額療養費制度 年齢・保険割合別の目安
年齢区分 | 所得・保険割合 | 月の上限額(目安) |
---|---|---|
70歳以上 | 1割負担 | 約8,000円 |
2割負担 | 約18,000円 | |
3割負担(現役並) | 約80,100円+α | |
70歳未満 | 3割負担(一般) | 約90,000円 |
※正確な金額は、住民票のある自治体の窓口でご確認いただくか、「限度額適用認定証」の取得をご検討ください。
マイナンバーカードで申請がもっと簡単に!
これまでは、高額療養費制度を利用するには、以下のいずれかの対応が必要でした。
- 事前に「限度額適用認定証」を役所で取得し、医療機関に提示する
- いったん窓口で医療費を全額支払ったあと、限度額を超えた分を申請して返金してもらう
つまり、「あらかじめ手続きをしておく」か、「後から自分で申請する」必要があり、手間や時間がかかっていました。
しかし現在では、マイナンバーカードを医療機関で提示するだけで、その場で制度の適用が可能となっています。マイナポータルと健康保険証が連携していれば、限度額情報が自動的に読み取られ、患者様の自己負担上限額に応じてその場で医療費が精算されます。
スマートに、かつ確実に制度の恩恵を受けるために、マイナンバーカードのご利用を強くおすすめします。
多焦点眼内レンズ(選定療養・選定療養外)の場合
選定療養とは、手術代は保険適用・レンズ代のみ自費で支払う形式です。
医療費控除とは?
- 1年間に支払った医療費(自己・家族含む)が一定額を超えた場合、確定申告で所得税・住民税が軽減される制度です。
- 多焦点レンズ代や手術代なども対象になるため、申告することで数万円〜十数万円が戻ってくるケースもあります。
医療費控除については次のページをご覧ください
自由診療の多焦点レンズの場合(例:インテンシティなど)
- 全額自費扱いとなるため、高額療養費制度は使えません。また、金額は選ぶレンズによって変わります。
- ただし、医療費控除は全額対象になります。
民間医療保険についても要確認!
白内障手術は、多くの民間保険(先進医療特約など)で給付対象になる場合があります。
費用のポイントまとめ
- 70歳以上の多くの方が、自己負担8,000円〜18,000円で白内障手術を受けられます。
- 同じ月に両目を手術すると、負担が軽くなる場合がほとんどです。
- 多焦点レンズの場合も、医療費控除で税金の還付が受けられる可能性があります。
- マイナンバーカードがあれば、その場で制度適用が可能。
- 民間保険の内容も、ぜひ一度ご確認を。