
クラレオンビビティ(Clareon Vivity)
「裸眼の自然な見え方」を追求した焦点深度拡張型レンズ(EDOF型)
「クラレオンビビティ(Clareon Vivity)」は、Alcon社(アメリカ)が開発した最新の**焦点深度拡張型(EDOF)**眼内レンズです。
2020年にアメリカで、2023年には日本でも選定療養対象として本格導入されました。
多焦点レンズにありがちな「ハロー・グレア(光のにじみ)」をほとんど感じさせず、
単焦点レンズに近い自然な見え方と、遠方〜中間の連続したピント合わせを両立します。
クラレオンビビティの注目ポイント
1. ハロー・グレアが非常に少ない
ビビティは、特殊な「X-Wave™テクノロジー」という光学設計により、夜間の光のにじみやギラつきが非常に少なく、
夜間運転や暗い場所でもストレスのない視界が得られます。
2. 遠方〜中間の広い距離を自然にカバー
遠方(無限遠)から中間(約70cm)まで、スムーズに焦点が合います。
PC作業、料理、テレビ鑑賞など日常の多くのシーンを、裸眼で快適に過ごすことが可能です。
3. 近方はやや苦手
スマートフォンや読書(40cm以内の手元作業)はやや眼鏡が必要になる場合がありますが、
その分「自然で違和感のない見え方」を最重視した設計です。
4. クラレオン素材で安全性・透明性を向上
従来素材よりもグリスニングリスクを大幅に低減したクラレオン素材を採用。
長期的に透明性を保ち、後発白内障のリスクも軽減されています。
スペック概要
項目 | 内容 |
---|---|
焦点タイプ | 焦点深度拡張型(EDOF) |
焦点距離 | 遠方〜中間(約70cm) |
ハロー・グレア | かなり少ない |
素材 | クラレオン素材(疎水性アクリル) |
適応度数範囲 | +6.0D〜+30.0D(0.5D刻み) |
生産国 | アメリカ(Alcon社製) |
選定療養対象 | ○(保険+レンズ代自己負担) |
クラレオンビビティはこんな方におすすめ
- 夜間運転を頻繁にされる方
- ハロー・グレアに敏感な方
- 遠方〜中間を裸眼で快適に見たい方
- 眼鏡使用が多少あっても自然な見え方を重視したい方
- 安定した長期的な視力を求める方
注意点・デメリット
- 手元(40cm以内)の作業は眼鏡が必要になることがある
→ スマホや読書を重視する方は多焦点型との比較検討がおすすめです。 - 単焦点よりコントラスト感度はやや低下する場合あり
→ ただし多焦点型に比べると大幅に自然な見え方を実現。
クラレオンビビティの費用(選定療養)
項目 | 内容 |
---|---|
手術費用(保険診療) | 例:1割負担で月額8,000円(高額療養費制度対象) |
レンズ代(選定療養) | 片眼35万〜 (乱視用38万円) |
※手術費用(保険適用)とレンズ代(自己負担)が必要です。
※高額療養費制度により手術費用は抑えられます(レンズ代は対象外)。
※医療費控除の対象となる場合もあります。
まとめ
クラレオンビビティは、「単焦点レンズに近い自然な見え方」と「裸眼生活の快適さ」を両立した焦点深度拡張型レンズです。
ハロー・グレアを極限まで抑えた設計により、夜間運転や暗所での見え方に不安がある方にも非常におすすめできる選択肢となっています。
自然な見え方を重視しつつ、なるべく裸眼で快適に過ごしたい方には、特に適したレンズと言えるでしょう。