ファインビジョンHP(FINE VISION HP)
近方作業にも強い、裸眼生活を目指す回折型3焦点眼内レンズ
「ファインビジョンHP(FINE VISION HP)」は、ベルギーPhysIOL社(現BVI社)が開発し、2023年に日本でも厚生労働省により選定療養対象として承認された回折型3焦点眼内レンズです。
国内では自費診療としての豊富な実績をもとに選定療養入りした信頼性の高いレンズで、
特に近方作業重視、かつ夜間の見え方も気になる方に適した設計となっています。
ファインビジョンHPの注目ポイント
1. 遠・中・近の3焦点設計
「遠方・中間・近方」すべての距離にスムーズにピントが合う設計です。
近方35cmに焦点が合うため、読書、スマホ、裁縫など手元作業が得意です。
2. アポダイズ型回折構造で、夜間視力も良好
暗所で瞳孔が広がっても、遠方への光配分が増える仕組みにより、夜間の遠方視力をしっかり維持します。
夜間運転や外出時の見え方にも配慮された設計です。
3. ハロー・グレアが少ない
回折型でありながら、アポダイズ設計によりハロー・グレアを大幅に軽減。
夜間の眩しさ、光のにじみが少なく、暗い場所でも快適な視界が得られます。
4. コントラスト感度が高い
鮮明な見え方が特徴で、日常生活の細かい作業も裸眼でしっかりサポートします。
スペック概要
項目 | 内容 |
---|---|
焦点タイプ | 回折型3焦点(アポダイズ構造) |
焦点距離 | 遠方/中間(約75〜80cm)/近方(約35cm) |
ハロー・グレア | 少ない(大幅軽減設計) |
素材 | 疎水性アクリル |
乱視対応 | なし |
生産国 | ベルギー(PhysIOL社→BVI社) |
選定療養対象 | ○(保険+レンズ代自己負担) |
ファインビジョンHPはこんな方におすすめ
- 手元作業(読書・スマホ操作・裁縫など)を裸眼で行いたい方
- 夜間の運転も安心して行いたい方
- ハロー・グレアをできるだけ抑えたい方
- コントラスト感度が高い鮮明な見え方を求める方
- 中間〜近方を多用するライフスタイルの方(例:料理・趣味活動)
注意点・デメリット
- 暗所では近方・中間視力が若干落ちることがある
→ 明るい環境下での使用が推奨されます。 - デスクトップPC(約60cm距離)作業が多い方にはやや不向き
→ 中間距離が75〜80cmに設定されているため。 - 強度近視には非対応
→ レンズパワーは+10.0Dから。強度近視の方は選択に制限があります。 - 乱視矯正(トーリック)モデルは未対応。(※選定療養外/完全自費でのレンズはございますので要相談)
ファインビジョンHPの費用(選定療養)
項目 | 内容 |
---|---|
手術費用(保険診療) | 例:1割負担で月額8,000円(高額療養費制度対象) |
レンズ代(選定療養) | 片眼35万〜 |
※手術費用は高額療養費制度の対象(レンズ代は対象外)。
まとめ
ファインビジョンHPは、近方重視、夜間の視界にも配慮した設計を特徴とする、非常にバランスの良い3焦点眼内レンズです。
特に、手元を裸眼で快適に見たい方や、夜間の運転がある方には非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。