テクニスシンフォニー(TECNIS Symfony)
自然な遠方・中間視界を実現する、焦点深度拡張型レンズ(EDOF型)
「テクニスシンフォニー(TECNIS Symfony)」は、アメリカのJohnson & Johnson VISION社が開発し、2017年に厚生労働省の認可を受けた焦点深度拡張型(EDOF)多焦点眼内レンズです。
独自のエシェレット回折型構造を採用し、遠方から中間距離までスムーズでクリアな見え方を実現。
コントラスト感度が高く、単焦点レンズに近い自然な見え方を目指した設計となっています。
TECNIS Symfonyの注目ポイント
1. 遠方〜中間距離をなめらかにカバー
無限遠〜約50cmまで連続した焦点を持ち、運転、PC作業、テレビ鑑賞など、
多くの生活シーンで裸眼の快適さを実感できます。
2. エシェレット回折型による焦点深度拡張
特殊な回折構造により、遠方・中間への連続的な焦点移動をサポート。
従来型多焦点レンズよりも自然なピント合わせが可能です。
3. アクロマティックテクノロジーでコントラスト感度を補正
色収差補正技術により、単焦点レンズに近い鮮明な見え方を維持。
暗い場所でも視界がぼやけにくく、質の高い見え方が期待できます。
4. 夜間のハロー・グレアはやや軽減
完全ではありませんが、夜間の光のにじみやギラつきはテクニスマルチフォーカルに比べ軽減されています。
スペック概要
項目 | 内容 |
---|---|
焦点タイプ | 焦点深度拡張型(EDOF:エシェレット回折型) |
焦点距離 | 遠方〜中間(∞〜約50cm) |
ハロー・グレア | あり(スターバーストもやや出る) |
素材 | 疎水性アクリル |
乱視対応 | なし(トーリックモデルなし) |
生産国 | アメリカ(Johnson & Johnson VISION社製) |
選定療養対象 | ○(保険+レンズ代自己負担) |
テクニスシンフォニーはこんな方におすすめ
- 遠方や中間距離をしっかり裸眼で見たい方
- コントラスト感度を重視したい方
- 夜間運転もあるが、グレア・ハローがある程度許容できる方
- 自然な見え方を重視し、手元は老眼鏡使用に抵抗がない方
注意点・デメリット
- 手元(読書・スマホ距離)はやや弱め
→ 老眼鏡が必要になるケースが多いです。 - ハロー・グレア、スターバースト(光の放射状のにじみ)が完全に消えるわけではない
- トーリック(乱視矯正)モデルは国内未展開
TECNIS Symfonyの費用(選定療養)
項目 | 内容 |
---|---|
手術費用(保険診療) | 例:1割負担で月額8,000円(高額療養費制度対象) |
レンズ代(選定療養) | 片眼35万〜 (乱視用38万円) |
※高額療養費制度対象(手術費用)、レンズ代は自己負担。
※医療費控除の対象になる場合あり。
まとめ
テクニスシンフォニーは、遠方から中間距離にかけて自然な見え方を追求し、
コントラスト感度の高いクリアな視界を提供する焦点深度拡張型レンズです。
「日常の大半を裸眼で快適に過ごしたいが、手元作業には眼鏡を使ってもいい」と考える方に、非常に適した選択肢となるでしょう。